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マーケティング4.0の時代における新たなカスタマージャーニーとは

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こんにちは金田謙太です(@kenta_global)です。

 

マーケティングの歴史

 

これまでマーケティングは、時代によって様々な変化を遂げてきました。

ざっくりと今までの流れを以下に記載します。

・マーケティング1.0→「生産手動」のマーケティング
・マーケティング2.0→「顧客中心」のマーケティング
・マーケティング3.0→「人間中心」のマーケティング

それが今マーケティング4.0へと新たな移行期に入っています。

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マーケティング4.0はデジタル革命時代のアプローチ

 

マーケティング4.0の時代で一番に注目したい点はオンラインとオフラインの相互作用の組み合わせです。

そして「消費者側」と「企業側」双方の情報取得方法は今までの時代よりも更に多様化し、変化を遂げています。

消費者側

企業や製品、サービスなどについてはスマートフォンを使って世界中から容易に情報を手に入れられる時代になりました。
新車を買いたいと思えばSNSで実際に乗っている友人に意見を聞くことができるし、評価サイトでスコアを見ることもできる。

「企業のほうが圧倒的に情報をもっている」という「情報の非対称性」は完全に崩壊しています。

企業側

一方で企業側も消費者の情報をより詳細に、ミクロレベルで手にすることができるようになりました。

ある消費者がどんな自動車に乗っているか、どんな収入か、どんな雑誌を読んでいるか、どんなテレビ番組が好き化、どんな自動車の広告を見ているか…etc.

そうした情報をもとにして、企業は予測解析を行います。
その先にはIoTを活用して自動車の状態をモニタリングしたり、リアルタイムで自動的にコミュニケーションをとったりするようになる。

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なぜ今、新たなカスタマージャーニーが生まれるのか

 

新しいカスタマージャーニーの話をする理由とは。
それは今までの時代のカスタマージャーニーとは全く動きや定義が異なってきているからです。

その変化を生んでいる大きな要因には

今まで以上に情報源を信頼できる社会集団に頼り始めたことが挙げられます。

どういうことかと言うと、

今日は、モバイルの時代に顧客の生活ペースが加速し、関心の持続時間が低下しているなかで、オンラインおよびオフラインのさまざまなチャンネルを通して、大量の情報にさらされています。

その中で大量の広告メッセージに混乱した顧客は、それらを無視して、信頼できる社会集団に情報源を移し始めた、ということです。
(上記の例ではソーシャルメディアを通じて、Teslaについて友人に直接評価を求めています。)

個人より社会に

今日の社会では購買決定をするときに、個人の嗜好だけではなく、社会的同調欲求のウェイトが高くなっています。
顧客は他者の意見をますます重視するようになっているということです。

自分の意見を他者に伝えたり、膨大な数のレビューが蓄積しているのでそれを参考にすることが当たり前の世界。

SNSなどがプラットフォームを提供することにより、この変化を促進してきました。

今後は更に顧客同士がコミュニケーションをとり、更にブランドについて議論を交わしていくので、従来のマーケティング・コミュニケーションにおける「受動的な顧客」から「能動的な顧客」へと変化していることが言えます。

従来のカスタマージャーニー

 

カスタマージャーニーを説明するフレームワークの一つで広く使われている、E・セント・エルモ・ルイスによって提唱され、広告・販売の分野で採用されてきた「AIDA」

A:Attention (注目)
I:Interest (興味)
D:Desire (欲求)
A:Action (行動)

その後、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のデレク・ラッカーは彼らが「4A」と呼ぶAIDAの修正版を提唱しています。

A:Awareness(認知)
A:Attitude(態度)
A:Act(行動)
A:Act again(再行動)


顧客はブランドのことを知り(認知)→ブランドを好きもしくは嫌いになり(態度)→それを買うかどうか決め(行動)→再度、リピート購入する価値があるかどうかを判定する(再行動)

このプロセスを表す単純なモデルです。

4Aは何よりも「個人」の道筋を表すもの。顧客がこの道筋を進んでいくとき、これらの意思決定に与える最大の影響は、企業のタッチポイントから生まれます。

しかし接続性の時代という、他者と深く繋がっている今日の社会では、直接的で個人的なプロセスはアップデートされる必要があります。

 

「接続性以前の時代」と「接続性の時代」の間にある変化

 

1、意思決定における、個人の時代の終焉

接続性以前の時代には、顧客個人がブランドに対する自分の態度を決めていました。ただ接続性の時代にはブランド当初の「訴求力自体」が、顧客を取り巻くコミュニティの影響を受けます。

つまり、本質的には顧客個人が意思決定するのではなく、顧客を取り巻く社会集団(コミュニティ)が意思決定を行っていきます。


一見、個人的に見える多くの決定が、実は社会的な決定になっている、ということ。

2,顧客フォーラムの生成

ブランドを理解するという点において、顧客は今では互いに積極的に繋がり、意見を交換する関係を築いている。より多くの情報が必要な場合には、それを求めて、自分より豊かな知識や経験を持つ他の顧客とつながる。

3,”ロイヤリティ”の変化

接続性以前の時代には、ロイヤリティは「顧客維持率」や「再購入率」が説明されていました。

ただ接続性の時代にはロイヤリティは、ブランドを推奨する意志として定義されます。ブランドに満足していれば、現在はそれを使っていなくとも進んで推奨するようになっていきます。

 

新たなカスタマージャーニー「5A」とは

 

これらの要件を踏まえ、マーケティングの父フィリップ・コトラーは新たなカスタマージャーニーはこの形にアップデートしました。

A:Aware(認知)
A:Appeal(訴求)
A:Ask(調査)
A:Act(行動)
A:Advocate(推奨)

上記の変化と重複しますが、ここで起こっている変化は3つ。

◯変化1
接続性の時代には、個々が態度決定をするのではなく顧客を取り巻く「コミュニティ」が最終的な態度決定に大きな影響を与える。

◯変化2
ブランドを理解するという点において、顧客は他者と積極的に繋がり、質問したり推奨したりする関係を築く。

◯変化3
接続性以前の時代には、ロイヤルティは顧客維持率、再購入率として定義されることが多かった。が、接続性の時代にはブランドを推奨する意志として定義される。

つまり図にするとこう、

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5Aの段階は必ずしも直線的にには進まない

 

場合によってはこの5Aのモデルの中である段階を飛ばして進むこともあります。

例えば、調査を飛ばして、最初の認知と訴求だけにもとづいて衝動的に行動するパターン。

また推奨者が実際の購入者ではないパターンもあります

これは僕が数日前に実際に自分で起こした行動を例に説明できます。
ALL YOURSという、僕が今大ファンになっている会社さんがあります。

 

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DEEPER'S WEARという

日常生活(LIFE)で服に求められる機能(SPEC)を追求した日常着(WEAR)

をコンセプトにしたブランドを展開しています。

僕の場合はALL YOURSさんの認知経路はたまたま見つけたクラウドファンディングのサイトでした。(ALL YOURSさんが残している素晴らしいクラウドファンディングの結果はこちら

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<自分に起こったALL YOURS推奨までのカスタマージャーニー>

・認知段階→クラウドファンディング


・訴求段階→製品がコモディティ化しているアパレル業界で、一瞬で引き込まれる印象的なブランドメッセージを出していので、長期記憶に残った。


・調査段階→ALL YOURSさんのコーポレートサイト、ECサイト、ソーシャルメディアアカウント、社長・木村さんのTwitterなどなど徹底的に情報を取得。(ここで既に強いファンになります)

そして行動段階(購入など)を完全にスキップして、

「めっちゃイケてる会社さん見つけた!」と、

知り合いにALL YOURSのことを連絡しました。(直接、推奨段階に

まさに5Aの中で”段階のスキップ”が自分の中で起こった瞬間。

 

このように段階のスキップが起きたり、順番が入れ替わったり、今日の社会では直線的にカスタマージャーニーを進むとは限りません。

接続性の時代にマーケティングの生産性を上げるには

 

そんな時代にマーケティングの生産性を上げるにはどうすればよいか。

それは「顧客がどの段階に時間を費やすか知ること」です。

顧客がそれぞれの段階で使う時間や、その時間の使い方は産業カテゴリーで異なります

例えば消費財カテゴリーでは認知と訴求がほぼ同時に起こる。なのでブランド認知を促すと同時に強いブランド訴求も行うことができなければ、何ももたらすことはできません。

また消費財だと調査に費やす時間も著しく短いです。
通常ドラッグストアやスーパーの棚でどのブランドを選ぶか一瞬のうちに衝動的に決めることが多い産業カテゴリー。

一方で、不動産や自動車などは調査時間に時間をかけて徹底的に調べます。

つまり、マーケティングの生産性を上げる(少ない工数で大きな成果)には顧客がどの段階に長く滞在し、どのような滞在時間を過ごすかを知る必要があり、そこにリソースを投下するやり方が望ましいです。

 

マーケティング生産性を上げる −コスト編−

 

繰り返しになりますがデジタルの時代、接続性の時代には顧客は周りのコミュニティからの影響を大きく受けます。

ということは、企業が”仕組み”を作ってあげれば、顧客のコミュニティ作りをサポートすることになり、顧客間のカンバセーションを促進させ、自動的に情報は広がるように基盤を作ることは可能です。

もちろん、良い情報が広がればブランド・エクイティを増幅させることができ、悪い情報ならばブランドに打撃を与えることになります。また、ブランドメッセージが弱いと顧客の情報発信が何も起きない場合もあります。(長期記憶に送られず、短期記憶に行って消えるパターン)

「自動的な情報な広がり」は言い換えると、広告を過度に頼らずとも、顧客感のカンバセーションを生み出す仕組みを構築することで、認知の幅を広げることができるということです。

これからの広告の在り方は認知を促すものというよりかは、カンバセーションの方向性に外側から影響を与えるもの、という存在に変わっていきます。

ですので、
①ユニークなブランドメッセージの構築
②仕組み作り
を行うことで従来の広告の大量投下に大きな予算を割かずとも、認知向上やファンの醸成をできるようになります。

(カンバセーションを生み出す仕組み作りに関しては今回は割愛。機会あれば書きます。)

終わりに

 

成功していく企業は、この接続性の時代を深く理解し、その中で顧客を「認知」から「推奨」へ建設的に導いていく。

従来のマーケティング指標(KPI)が全く用無しになったわけではないですが、コミュニティの影響を多大に受けるマーケティング4.0の時代。

この時代では常に顧客の「気持ち」を理解しようと努めなければ、持続性あるブランドは作れないと言えるでしょう。

 

Texts by Kenta Kaneda
Reference : Books by Philip Kotler